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ノベルゲーム制作術 「あいはらまひろが大切にしていること」(後編)

前編はこちら


(4)物語の終わり方

 ノベルゲームには、テキストを読みすすめる以外の要素がたくさんあります。
 例えば立ち絵の表情、背景の変化、BGMや効果音……などなど。
 プレイヤーはそれぞれの意味を理解しながら読み進めていくわけです。

 それと同時に物語の内容も理解し、セリフや展開に一喜一憂もします。
 伏線を思い出し、今後の展開を予想したりもします。

 その合間にトイレへいったり、風呂に湯を入れたり、お菓子を取りにいったりもしますよね。

 ノベルゲームのプレイヤーは、いつも「物語の展開から遅れてついてきている」。
 僕はそう思うのです。

 だから、せっかく物語の結末に感動しても、感動を味わう余裕なく物語が先にスパッと終わってしまうと……急に現実に戻されたような感覚になってしまいますよね。

 そこで物語の終わりには、物語がプレイヤーを待つような気持ちで、ゆっくりと終わるようにしています。
 音楽がフェードアウトしていくように。

  こうして、また日常が戻った……
  もうあの日々は戻らない……
  そして、新しい日々がはじまる……

 2時間ドラマのエンディングや、1話完結の刑事ドラマが、日常風景を描いて終わるような感じで、
 物語の後を示唆しつつ、フェードアウトしていけたら最高ですね。

 夢から醒めるのなら、ゆっくりと醒めたいものです。


(5)ゲームの終わり方

 物語が終わった後の、舞台でいうところの「幕引き」も大事です。

 いきなりプログラム終了して、散らかった(?)デスクトップが目に飛び込んでくる……。
 いい夢を見てたら親に叩き起こされた、そんな気分になりそうです。

 いい夢を見た余韻を感じながら、ゆっくり目覚めていく。
 そんな感じで、画面をフェードアウトさせ、タイトル画面へ戻していく。
 その方が、物語の余韻をより楽しめると思うのです。

 エンドロールも、あまり長いのは敬遠されそうですが、ほどよい長さなら(できればクリックでスキップ)、あった方がいい。
 これで物語は終わりだなぁ、という気持ちになりますからね。

 ちなみに僕はエンドロール後に、ほんの少しだけ結末の続きがあるのが好きです。


(6)結末はオープニング(テーマ)と呼応する

 物語のはじまりには、たいてい主人公に何か問題点があります。
 例えば、モテないとか(笑)

 その問題点が、事件解決後にどうなったのかについて、なるべく結末で描写するようにしています。

 モテない主人公が、事件解決後に晴れてヒロインと恋人同士になった。
 そんなお話なら、「モテない」という問題点はどう解決されたのか(しなかったのか)という部分は、やはりプレイヤーは知りたい※はずです。

 はっきり書かなくても、なにか暗示する程度でもいいのかなとも思います。
 ただ、テーマの投げっぱなしにならないように心がけています。

 ※長編の場合、まずプレイヤーに問題点について思い出してもらう必要がありますね。


(7)おまけコンテンツの扱い

 僕は、本編以外のおまけコンテンツが大好きです。
 BGM再生やイラスト閲覧、あとがき、サイドストーリーなどなど。

 おまけコンテンツは、タイトル画面から閲覧というのが一般的ですが、これには理由があると思っています。

 おまけコンテンツは本編の物語からすれば、メタ視点。
 本編の余韻を残したままメタ視点への移行は、違和感の原因になります。

 プレイヤーが気持ちを一度リフレッシュできるように、そしてメタ視点への移行もスムーズになるように。

 タイトル画面にしっかり戻るのは大切だと思っています。


(8)さいごに

 ノベルゲームの作り方も、大切にしたいポイントも、作者それぞれ違っていて当然です。

 しかし巷には、あれこれと縛り付けるルールがあふれています。
 油断していると、自分で自分を縛ることまでしてしまいがちです。

 大切なのは、
 「まだ書かれていない物語を生み出すこと」
 そして、
 「創り出された作品が、誰かのもとへ届くこと」

 創作技法は数あれど、創作のルールなんてものはありません。
 創作とは「まだないもの」を作ることなのですから。
 ルールも正解も「まだないもの」には無力なのです。

 今回「大切にしていること」と題したのも、そんな意図からです。
 あまり真に受けず、なにか参考になればラッキー程度の気持ちで受け取めていただければと思います。

 最後に、岡本太郎氏の言葉を引用して終わりましょう。

 自分の信じること、こうだと思うことに、わき目もふらず突き進むだけだ。
 (岡本太郎/壁を破る言葉/イーストプレス/P.146)


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